今年で14年目を迎える「秋田県特別農産物」の認定米(特栽米)の稲刈りが、3日間に渡り行われました。

稲は刈り取り直後の籾の水分量は20~30%ほどです。
そのままにしておくと、芽を出したり、カビが生えたり、腐ったりしますので、乾燥させて水分を15%以下にしてから流通させます。お米の乾燥は、火力機械乾燥が主流ですが、当園ではじっくりと天日と風で稲穂を乾かす昔ながらの「はさがけ天日乾燥」をしています。

はさがけ乾燥は、火力機械乾燥に比べて、ゆっくり時間を掛けて乾燥させるので、割れ米や味の低下が少ないと言われています。また、天日干しの最中、稲穂の油分、栄養分、甘みが最下部の米粒に吸収され丸みを帯びた米粒に仕上がります(後熟と言われます)。そして、何よりも電気を使わず、「エコ」なんですよね~。作業は大変ですが・・・

ここ秋田県鹿角市では本格的な稲刈りは9/19頃から始まったものの、雨の日が続き、なかなか稲刈りが進まない状態でした。10月からは秋どり大根の収穫も控え、好天が続くと予想された9/25から稲刈りを始めました。(実際は初日以外は小雨状態)

初日は天候に恵まれ、気持ち良い秋晴れの中で作業を行いました。
稲刈り初日は、稲を刈り取る農機具「バインダー」が田んぼに入れるように、各田んぼの四隅を手刈りからスタート。
広めに刈り取り、バインダーが大きく回れるようにします。

稲刈りスタート。順調に刈り取りを進めてゆきます。
「バインダー」が稲を刈る取り、刈り取られた稲が適度な厚さで結束され、次々と排出されてゆきます。


ある程度、稲刈りが進んだところで、はさを立てる位置を決めて、田んぼ一面に広がっている稲束を寄せてゆきます。

はさを立てるスペースが確保出来たら、三脚や単管を運び入れて、「はさ」を立ててゆきます。

バインダーで稲刈りする農場長は3枚目の田んぼを刈り取り中。

運搬車で稲束を集め、はさの近くに置いてゆきます。

夕方、全ての田んぼの刈り取りが終了。「はさ」も全て立て終え、順調に1日目は終了しました。
ここまでくれば、後は稲束を集め、ひさすら「はさがけ」するだけです。

2日目は雨が降ったり、止んだりの天気でした。
2日目はいよいよ「はさがけ」スタート。稲束を丁寧にはさに掛けてゆきます。
さすがに一番高い4段目に稲束を掛けるのは女性にはキツイようですが、頑張っています。

雨が降った後は暑くなり、雨合羽を脱ぎ捨てて作業していました。
昨年の稲刈りはすごく寒かったと記憶していますが、やはり今年はこの時期でも気温は高めです。

Tシャツで作業。汗をかきながらもひたすら。掛け続けます。

2日目は8割の「はさがけ」が終わり、順調そのものでした。

3日目。
全員で残りの「はさ」に掛けてゆきます。午前はぐつついた天候でしたが、平年並みの気温で朝方はヒヤりとする寒さ。


2時間ほどで全て掛け終え、最後は「落ち穂」拾いをします。
刈り残しの稲や運搬で落ちてしまった稲穂を全員で拾い集めます。


全ての稲穂の「はさがけ」が終了しました。

今年は東北では猛暑が続き、米の高温障害が多くの地域で出ています。
お米の高温障害は、米粒が白く濁る状態です。
未成熟米やカメムシによる斑点米、白濁米などの被害米の割合が15%以下の基準を満たすものが「1等米」になります。
米どころの新潟では、高気温と少雨による渇水で、地域によっては「1等米は1%」も出なかったという悲惨な状況。
秋田県内でも稲刈りが遅い県北地区の稲刈りが進めば、1等米比率が出ますが、まだ刈り始め。R5年米の品質と収量が気になるところです。

これからじっくりと天日乾燥をさせ、稲穂の栄養分、油分、甘みが米粒に浸透してゆきます。
天日自然乾燥あきたこまちは、10月下旬に販売を予定しています。お楽しみに!